HOME活動報告 > 漢方・統合医療学共同研究講座/総合地域医療研修センター共催、一般財団法人日本漢方医学教育振興財団協賛で「2019年度 診療に役立つ漢方治療の知識・技術を系統的に学ぶセミナー(第3回)」が開催されました。(2019年10月8日)

漢方・統合医療学共同研究講座/総合地域医療研修センター共催、一般財団法人日本漢方医学教育振興財団協賛で「2019年度 診療に役立つ漢方治療の知識・技術を系統的に学ぶセミナー(第3回)」が開催されました。(2019年10月8日)

2019/11/12(火)

 2019年10月8日(火)に東北大学大学院医学系研究科漢方・統合医療学共同研究講座/総合地域医療研修センター共催、一般財団法人日本漢方医学教育振興財団協賛で、2019年度診療に役立つ漢方セミナーの第3回が東北大学クリニカル・スキルスラボ5階グループ学習室にて開催されました。

 本会はお陰様で実際の臨床現場で日々漢方を取り扱う医師や薬剤師はもちろん、学生(医・歯学生、薬学生)、鍼灸師ほかの医療職の皆様にもご参加いただいております。将来漢方・統合医療を担うであろう若手の成長に大いに期待をしているところです。

 

今回は『参耆(ジンギ)剤;人参(ニンジン)と黄耆(オウギ)を含む方剤の呼称です』でした。

当日は23名の参加者にお集まりいただき、まず最初に人参・黄耆について有田龍太郎大学院生の解説がありました。まずはざっくりと生薬の写真や実物、効能を学習した後、人参・黄耆を含む方剤を学習しました。そして今回のグループワークは大きくテーブル毎に代表的な参耆剤として「補中益気湯」「十全大補湯」「人参養栄湯」を選択しました。それら各々の構成生薬を抽出し、全体としての方剤の効かせ方や方位(※温める、冷ます、潤す、乾かす、・・・といった効能の全体的なベクトル)を確認しました。参耆剤というくくりで他の漢方薬にも触れ補中益気湯(気虚・気陥)、十全大補湯・人参養栄湯(気虚・血虚)以外にも、清暑益気湯(気虚・陰虚)、帰脾湯・加味帰脾湯(気虚・気滞(心血虚))、半夏白朮天麻湯(気虚・水滞)、清心蓮子飲(心腎不交)の使い分けについて学習しました。

 

そして毎回恒例の煎じ薬の試飲も行いました。今回は人参養栄湯が正解でした。人参養栄湯は最近非常に注目をされている漢方薬のひとつで貧血症状はもちろん、がん治療中の方、膠原病の方などの慢性疾患を持病としてお持ちの方にお勧めしている漢方薬です。日常の疲労を“慢性疾患”と捉えるとしますとご参加の皆さんが皆「美味しい!」と仰っていたのは、正に皆さんが日々“疲れている”証(あかし)と言えました、笑。

 

今回も会の前後の恒例となりました知識アンケートで、主に"生薬ソムリエ試験"の類似問題を扱いました。今回の経験を通じて個々の生薬にも興味をもっていただき、さらに未来の生薬ソムリエ候補がこのセミナーから生まれることを心から期待しております。

 

今回も全ての時間を通して驚き、笑いの絶えない楽しい時間を過ごすことができました。

ご参加の皆様には改めまして御礼を申し上げます。

 

今年度の残りのセミナーは、第4回12月3日(火):麻黄剤、第5回令和2年2月4日(火):桃仁・牡丹皮(駆瘀血剤)・まとめを予定しております。

引き続き皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております。

 

※なお本セミナーは

一般財団法人日本漢方医学教育振興財団2019年度「漢方医学教育推進事業」

より助成を頂いていることを申し添えます。

 

 

 



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