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総合地域医療研修センター支援プロジェクト「平成27年度 統合医療セミナー」が開催されました。(2015年11月30日)

2015/12/3(木)

総合地域医療研修センター支援プロジェクト「平成27年度 統合医療セミナー」が開催されました。(2015年11月30日)

 2015年11月30日に東北大学大学院医学系研究科総合地域医療研修センター支援プロジェクト「平成27年度 統合医療セミナー」が東北大学医学部6号館講堂およびカンファレンス室にて開催されました。

 

 講師にお招きしたのはウィスコンシン医科大学外科教授の高橋徳先生で、「統合医療と鍼治療」というタイトルを頂きました。午前の講義は「鍼の作用機序と災害時の鍼の有用性」というテーマでしたが、冒頭から「私自身がひどい肩こりだったが、たった1回の鍼治療でものすごく楽になったことから、これは本物だと思い鍼治療の研究をしようと考えた」との御自身の体験談から始まりました。鍼灸のセミナーでは、一般に「経絡・経穴」「陰陽」「気血」「臓腑」などといった漢語ばかりの東洋医学的専門用語が並び、聞く人によっては拒否反応を起こしたり、そうでなくとも馴染むまでにかなりの時間や努力を要したりすることが多いものです。しかし、高橋先生は、「知覚神経」「自律神経反射」「視床下部、中脳、脳幹」「オキシトシン」「GABA」といった聞き慣れた現代医学における解剖学や生理学の用語を用いて鍼灸の作用機序を解説してくださいました。それらは、動物実験で立証された内容に基づいたもので、とくに「視床下部」や「オキシトシン」に関わる部分は御自身の研究結果によるものであったためたいへん説得力に富むものでした。東洋医学に対しては初学の医師や医学生であっても理解しやすく目から鱗が落ちるような、また一方で東洋医学を中心に学んできた鍼灸師にとっても感慨深い経験ではなかったかと想像しています。さらには「瞑想」「座禅」「ヨガ」といった「統合医療」において用いられる種々の「療法」も、患者自らが実践して「前頭葉」から「視床下部、中脳、脳幹」へ作用する「トップダウン効果」も重要であるとまとめて頂きました。

 

 午後は鍼治療実技の実習およびレクチャーでした。参加者の構成において、医師・鍼灸師・医学生など鍼治療に対する技術レベルにかなり幅のある中、6人グループでベッドを囲む体勢と致しました。鍼の持ち方から始まり、直刺、斜刺といった刺入法、さらには雀啄、捻転などの手技に至るまで実演つきで御指導頂きました。さらには、頭痛や耳鳴りといった主訴別での配穴法についてのレクチャーもして頂きました。今回は異なる技術レベルの方々が混じってグループを組んで頂きましたが、班員同士で教え合うなどの形を作ることになり、結果的にはどの職種の参加者もみな満足度は高い様子でした。これも高橋先生の講義内容や実技指導が幅広い層から支持される内容であったからと考えております。

 

 午前、午後ともに2時間ずつ計4時間に渡るセミナーでしたが、50名を超える参加者にお越し頂き、たいへん盛り上がりました。本セミナーによって、参加者の鍼治療に対する理解・知識が深まり、ひいては地域医療における統合医療のレベルアップに貢献することができ、より多くの患者を助けることにつながってゆくならば、主催者としてこれにまさる喜びはありません。

 

 ご参加いただきました受講者の皆様、高橋徳先生をはじめとした関係者の皆様、まことにありがとうございました。またの機会に是非お会いいたしましょう。

 

 

 

 

 



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