第19回漢方研修会を開催いたしました。(2017.1.20)
2017/1/26(木)
第19回漢方研修会を開催いたしました。(2017.1.20)
平成29年1月20日に東北大学医学部第2講義室において第19回漢方研修会を開催いたしました。
今回は東京理科大学薬学部薬学科の礒濱洋一郎先生に「漢方薬の分子機序:利水作用とアクアポリンの密接な関係」というテーマで90分間の御講演をいただきました。
先生は薬理学を御専門とされ、薬理作用を分子機序で解明するというお仕事を続けてこられています。漢方用語は多用されずに薬理学的・現代科学的な側面から、五苓散、アクアポリン、利水作用などを主なテーマとしてお話されました。第15回(2015年7月10日)の漢方研修会では、八戸市立市民病院・脳神経外科の川村強先生に、臨床的な側面から慢性硬膜下血腫に五苓散が有効であるという御講演を頂きましたが、脳神経外科の先生方が臨床現場で五苓散をどんどん使うようになったきっかけとなる基礎研究をされたのが、実は今回の礒濱洋一郎先生だったのです。日頃は漢方には及び腰であったり、半信半疑で漢方に対応したりしていた臨床の先生方も基礎研究のエビデンスが明らかになると、臨床応用も盛んになるという好例でありましょう。今後も漢方の基礎研究と臨床研究がコラボレーションしつつ、患者のみなさまの治療や健康作りに有効活用されるようにと願っております。
当日は、医師、薬剤師、医学部生から一般の方まで、30名を超える皆様方に御参加いただきました。出席者の皆様、また御講演いただきました礒濱洋一郎先生にこの場を借りて改めて御礼申し上げます。
また来年度以降の漢方研修会の詳細はあいにく現時点では定まっておりません。たいへん恐縮ではございますが、引き続き当ホームページ等で御確認頂きますようお願い申し上げます。