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第20回漢方研修会を開催いたしました。(2017.10.4)

2017/10/6(金)

第20回漢方研修会を開催いたしました。(2017.10.4)

 

 平成29年10月4日に東北大学医学部6号館講堂において第20回漢方研修会を開催いたしました。

今回は東北医科薬科大学病院精神科の山田和男先生をお招きして「“こころ”に効く漢方」というテーマで90分間の御講演をいただきました。

 

 一口に精神科領域における漢方治療とは言っても守備範囲が広いため、対象疾患を身体症状症・不眠・慢性疼痛に絞られ、御講演の前半はこれら疾患の現在における診断基準や疾患概念などをわかりやすく解説してくださいました。DSM-IV-TR(診断基準)における「身体表現性障害」がDSM-5(診断基準)に移り変わった後、「身体症状症」へと病名や疾患概念が改められたこと。現役を引退されて5時間程度の睡眠時間で充分と考えられる高齢者の方が、日中の疲労感や眠気を感じていないにもかかわらず、夜早めに床に入り寝付かれない時間を床の上で過ごすために、「よく眠れません」と訴えるのは「不眠恐怖症」と呼ぶべき状態であり真の不眠とは異なること。慢性疼痛は精神医学的には「身体症状症」の一種と診断できること、などなど興味深く拝聴いたしました。御講演の後半はこれらの基礎知識を踏まえて、柴胡剤や抑肝散、加味帰脾湯、八味地黄丸、酸棗仁湯などの実用的な漢方処方を解説してくださいました。

 

 主催する側といたしましては、こうした御講演内容が活かされて、適切な漢方治療や服薬指導が施されることにつながり、ひいては身体症状症・不眠・慢性疼痛で悩んでおられる患者さま、また西洋医学的薬物療法の副作用で悩んでおられる患者さまに対する福音となれば望外の喜びでございます。

 当日は、医師、薬剤師、医学部生、さらには鍼灸師や一般の方まで、40名近くの皆様方に御参加いただきました。出席者の皆様、また御講演いただきました山田和男先生にこの場を借りて改めて御礼申し上げます。

 次回の漢方研修会は11月24日(金)に予定しております。追って御連絡いたします。是非またお運びくださいますようよろしくお願い申し上げます。

 

 

 

 

 



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