HOME活動報告 > 漢方・統合医療学共同研究講座/総合地域医療研修センター共催、一般財団法人日本漢方医学教育振興財団協賛で「2019年度 診療に役立つ漢方治療の知識・技術を系統的に学ぶセミナー」が開催されました。(2019年5月28日)

漢方・統合医療学共同研究講座/総合地域医療研修センター共催、一般財団法人日本漢方医学教育振興財団協賛で「2019年度 診療に役立つ漢方治療の知識・技術を系統的に学ぶセミナー」が開催されました。(2019年5月28日)

2019/5/31(金)

2019年5月28日(木)に東北大学大学院医学系研究科漢方・統合医療学共同研究講座/総合地域医療研修センター共催、一般財団法人日本漢方医学教育振興財団協賛で、2019年度診療に役立つ漢方セミナーの第1回が東北大学クリニカル・スキルスラボ5階グループ学習室にて開催されました。

 

 本会ではお陰様で実際の臨床現場で日々漢方を取り扱う医師や薬剤師はもちろん、学生(医・歯学生、薬学生)、鍼灸師ほかの医療職の皆様にもご参加いただいております。将来漢方・統合医療を担うであろう若手の成長に大いに期待持っているところです。

 

さて、今年のテーマは昨年ご参加いただいた皆様のアンケートを元に

「覚えておきたい生薬とその含有方剤」

といたしました。そしてその生薬を含んだ方剤の共通な特徴やその基原植物、学名なども広く学ぶ機会と致しました。その第1回として5月28日(火)に、『柴胡剤』をテーマに第①回セミナーを行いました。

 

当日は初回にもかかわらず22名の参加者に恵まれ、当初予定していた椅子を増やすに至りました。まず最初に柴胡について生薬ソムリエの資格を持つ有田龍太郎大学院生の解説で学びました。生薬はその呼称が国によっても異なるため、基本はラテン語表記が共通言語となります。そのラテン語である(Bupleuri radix)を覚えた後、その効能(味:苦・微辛、性:微寒、帰経:肝・胆・心包・三焦、透表泄熱、疎肝解鬱、昇挙陽気・・・)や、その生薬の写真や実物を観察しました。そしてその効能を学習した後、柴胡を含む方剤を学習しました。今回は大きくテーブル毎に代表的な柴胡剤として「大柴胡湯」「柴胡加竜骨牡蛎湯」「柴胡桂枝乾姜湯」をグループワークの方剤として選択しました。それら各々の柴胡以外の構成生薬を抽出し、全体としての方剤の効かせ方や方位(※温める、冷ます、潤す、乾かす、・・・といった効能の全体的なベクトル)を確認しました。柴胡剤というくくりで(大柴胡湯、柴胡加竜骨牡蛎湯、四逆散、小柴胡湯、柴胡桂枝湯、柴胡桂枝乾姜湯)の使い分けの簡単なエッセンスも共有しました。

 

そして毎回恒例の煎じ薬の試飲も行いました。今回は柴胡加竜骨牡蛎湯が正解でした。本剤には甘草は含まれていませんが、以外に甘みを感じる方が多く・・・おそらく大棗(なつめ)の甘みと思われるその味に多くの皆様が正答を逃しました。それでも美味しく感じる方が多く「みなイライラしているのでは??」という風にも読み取れました。

 

今回は会の前後の知識アンケートで、主に"生薬ソムリエ試験"の類似問題を扱いました。今回の経験を通じて個々の生薬にも興味をもっていただき、さらに未来の生薬ソムリエ候補がこのセミナーから生まれることを心から期待しております。もちろん教員も例外ではありません(汗)。

今回も全ての時間を通して驚き、笑いの絶えない楽しい時間を過ごすことができました。ご参加の皆様には改めまして御礼を申し上げます。

 

今年度のセミナーは、次回第2回7月23日(火):漢方ゲーム(養生双六"夏")、第3回10月8日(火):参耆剤、第4回12月3日(火):麻黄剤、第5回来年2月4日(火):桃仁・牡丹皮(駆瘀血剤)、まとめを予定しております。

引き続き皆様のご参加を心よりお待ち申し上げております。

 

 

 

 



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